2024年04月22日

2024年4月の例会を開催しました

佐賀ミステリファンクラブ2024年4月の例会を開催しました。今月の例会は、対面とオンラインで実施しました。
対面8人、ZOOM4人、計12人の参加がありました。

〇日時:4月14日(日)13時~17時
〇課題本:『不連続殺人事件』
〇内容:
 ①おすすめ本紹介
 ②課題図書の感想
 ③課題図書についてのフリートーク等

読書会では、
・漢字の単語ををカタカナで表している箇所が多い。モルヒネの後にオヒルネがあって紛らわしかった
・単純なトリックが印象に残る
・不連続というタイトルの意味を初めて知った
・心理の足跡は覚えている
・動きはシンプル
・登場人物が多いし、最初に全て紹介するのでごちゃごちゃになる
・登場人物表がない本は困る
・読者や周りの識者に向けた犯人当ての部分が、ユーモアにあふれている
・連載時にあった犯人当ての文章が、単行本や文庫では載っていなかった。その後『日本探偵小説全集10 坂口安吾』に全て収録されたが、あの文章は込みで読んだ方が面白い
・出入り自由な家で、バタバタと人が死んでいく様は、鮎川哲也の『りら荘事件』と比較すると面白い
・良くも悪くも、この時代の探偵小説である
・こういうものを全集で残すことは大切
・最後の一行が美しい
・ミステリの書き方をよくわかっている
・心理の足跡には納得いかないところがある
・今のミステリレベルでは厳しいかもしれない
・先駆的な作品で、新本格に繋がった
・交友のあった太宰治を語る部分は、彼の暗いイメージを覆した
・メインのネタを生かすため、奇人変人を山ほど登場させ、それを書き切ってしまう凄さ
・犯人当てでは安吾自身が、周りの文士仲間で遊んでいた
・70年代80年代までは名作
・パズル的ではなく、ロジカルである
などの意見が出るとともに、心理の足跡についての考察や、終戦から二年後にこんな面白いものが読めて、当時の読者は嬉しかったのだろうなとか、読者への挑戦状で文士仲間と遊んだり完璧に当てた読者や一部当てた読者にも律儀に賞金を授与した坂口安吾の、純文学からとは違った顔が垣間見れて、楽しく興味深い読書会になりました。
2024年4月の例会を開催しました
2024年4月の例会を開催しました



Posted by 佐賀ミステリ  at 17:54