2021年07月13日

会員のおすすめ本の紹介(184)

2021年7月の例会で会員から寄せられたおすすめ本の紹介をします。



https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163913674



『台北プライベートアイ』(紀蔚然/文藝春秋)

作者の紀 蔚然氏のデビュー作です。紀氏は長らく台湾の演劇の世界で活躍され、大学の先生などもされている方です。
ミステリとしては大分粗削りですが、この物語の良さはとにかく、台北の町の描き方と、探偵役が弱いこと。
探偵役の呉誠は、中年の危機と精神疾患を抱えていて、あることを理由に大学教授のキャリアを捨てて、家も売って台北の外れに引っ越します。
そこで探偵になったはいいのですけど、素人なもんでちゃんとしてない。
ジャンルはハードボイルド小説ってことになってるんですが、ちょっと締まらない探偵さんです。
町を揺るがす連続殺人事件に巻き込まれて、犯人扱いされたりするんですが、妙な洞察力と年の功で乗り切ります。  

Posted by 佐賀ミステリ  at 19:00おすすめ本

2021年07月12日

会員のおすすめ本の紹介(183)

2021年7月の例会で会員から寄せられたおすすめ本の紹介をします。



https://ronso.co.jp/book/%E6%B6%88%E3%81%88%E3%82%8B%E9%AD%94%E8%A1%93%E5%B8%AB%E3%81%AE%E5%86%92%E9%99%BA%E3%80%80%E8%81%B4%E5%8F%96%E8%80%85%E3%81%B8%E3%81%AE%E6%8C%91%E6%88%A6%E2%85%B3/



『消える魔術師の冒険 聴取者への挑戦Ⅳ』(エラリー・クイーン/論創海外ミステリ)

巨匠クイーンの手に成るラジオドラマ脚本集の第4弾。
高名な魔術師が大金を賭けて消失トリックを見抜けるか挑戦してくる表題作、金持ちの伯父たちが次々と事故死し莫大な遺産がどんどん転がり込んでくる青年の数奇な運命を描く「不運な男の冒険」、関係者全員が赤緑色盲という奇妙な状況で盗難事件が起きる「赤い箱と緑の箱の冒険」など、クイーンのラジオドラマの幅広さをたっぷりと味わえる1冊である。

  

Posted by 佐賀ミステリ  at 18:56おすすめ本

2021年07月11日

2021年7月の例会を開催しました

佐賀ミステリファンクラブ2021年7月の例会を開催しました。

今月の例会もオンラインで実施しました。
12名の会員の参加がありました。

〇日時:7月11日(日)13時~16時13分
〇課題本:『生ける屍の死』(山口 雅也・光文社文庫)
〇内容:
 ①おすすめ本の紹介
 ②課題図書の感想
 ③課題図書についてのフリートーク等

読書会では、
・作者の想像力の豊かさ、教養、知識の深さに脱帽した
・一つの教養小説でもある
・作品の世界の作りこみ、複雑な真相がすごい
・殺された人が生き返るが、犯人を見ていないので、推理しないといけないのが面白い
・「特殊設定」ミステリのはしり
・この世界でないといけないという気概を感じる
・感心するところが多い作品
・デビュー作でこれだけの完成度だと、後の作品を書くのは大変ではないかと思った
・驚きが多く読むのに体力を使う作品、最後の犯人以外でも驚いた
・全体的にスマートな作品
・死者が生き返る世界で、なぜ殺人をするのか、という意味が描かれていた
・死者たちの世界も描かれていたので深みがある
・登場人物が多いが、書き分けられていたので迷子にならなかった
・視点が変わるところで読みにくいところがあったが、翻訳調にするという作者の意図があったのではないか
・アメリカの小説かと思った
・再読死と生を考えさせられる、大学生のときに初読していてよかった
・序盤のノリについていけないところがあった
・このノリが好き
・凄い料理をガッツリ食べた気分
・最初は死者が怖いと感じたが、最後は死者よりも生者が怖いと感じた
・遺産相続、複雑な家族構成、蘇る死体と陰鬱なイメージがあったが、展開が軽やかでユーモアがあり、いい意味で裏切られた
・新本格の黎明の時期だが、他の新本格の作家の作風とは違う感じ
・新本格以降ではベストの作品
・SFミステリの完成系。「死者が生き返るときに何を考えるのか」という所から考えられている。ミステリに徹底すればするほど、「SFにしないといけないのか」というジレンマが生じるが、これはSFとミステリを両立させている。
・カーを意識している作風
・最初と最後のつながりが気になる
などの意見が出て、ミステリの賞の話や、出身大学ミス研の話、創作の際の裏話などにも話が及びました。



  

Posted by 佐賀ミステリ  at 16:16例会