2024年06月27日

会員のおすすめ本の紹介(253)

会員から寄せられたおすすめ本の紹介をします。

『五匹の子豚』(アガサ・クリスティー/ハヤカワ文庫)
16年前に母が父を毒殺したとされる事件を、調べ直してもらいたい。そんな娘の依頼を受けて、
再調査に乗り出すエルキュール・ポアロ。五人の事件関係者たちの証言の中から、隠されていた
事件の実像が浮かび上がる。
全編に張り巡らされた伏線と、人間関係の鮮やかな反転。クリスティーが技巧の粋を凝らした、
高純度の一作。
https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784151310218  

Posted by 佐賀ミステリ  at 12:21

2024年06月18日

2024年6月の例会を開催しました

佐賀ミステリファンクラブ2024年6月の例会を開催しました。今月の例会は、対面とオンラインで実施しました。
対面12人、ZOOM5人、計17人の参加がありました。
また、今回はゲストに評論家の若林踏さんをお迎えしました。

〇日時:6月15日(土)13時~17時
〇課題本:『騙し絵の檻』
〇内容:
 ①おすすめ本紹介
 ②課題図書の感想
 ③課題図書についてのフリートーク等

読書会では、
・真相に関するトリックが秀逸。
・冒頭のカットバックによる描写がわかりにくいのでは。
・容疑者を集めての謎解きの場面はスリリングで面白い。
・二つの殺人のトリックに用いられている技巧は非常に高度。
・殺人に関する動機の提出が遅いのではないか。
・人物描写が浅いような気がする。一人ひとりを掘り下げたらよかったのでは。
・カットバックを用いたことで最初に仕掛けられたサプライズが生きている。
・ラストが良いので読後感も良いものになった。
・主人公のあるセリフがダブルミーニングになっており感心した。
・最初のシーンは時系列がわかりにくいがよく読むと納得できる。
・構成もしっかりしているし、文章もうまい。それでも今ひとつ印象に残らない気がする。


ゲストの若林さんからは、
・海外本格もののワンアイデア小説と思った。
・アイデアを生かすために人物や情景の描写などに犠牲を払っている。
・イギリスの伝統的ミステリの流れの中で新しいものをやろうと思ったのではないか。
・イギリスのミステリにある連続殺人のオマージュとパロディになっている。
・主人公が元死刑囚という探偵にすることで行動の制限がかかるために、それを補う
 役割としてジャンが必要となったのではないか。

などの意見が出て楽しく興味深い読書会になりました。

また、若林さんへの質疑応答として
・翻訳物の書評の際に原本を読むか(基本的には読まない)
・どうやって評論家になったか(大学のサークルの先輩から書評の仕事を依頼され、
 それをこなしていくうちに仕事が増えた)
・現在の日本のミステリ界における評論の仕事とは(まずはこれまでの流れを俯瞰した
国内ミステリの通史を整理することかと思う)
・本を読まない中学1年生に何を勧めるか(初野晴のハルチカシリーズやロバート・ロプレスティの『ミステリ作家とお茶を』 (創元推理文庫)など
などがありました。

例会終了後には若林さんとの懇親会も行われ、こちらも楽しい時間を過ごすことができました。

  

Posted by 佐賀ミステリ  at 07:48