2022年10月10日

会員のおすすめ本の紹介(213)

会員から寄せられたおすすめ本の紹介をします。



https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784151842535


『キュレーターの殺人』(M.W.クレイヴン/ハヤカワ・ミステリ文庫)


重大犯罪分析課の名コンビ、ワシントン・ポーとティリー・ブラッドショーの活躍を描くシリーズの第3作。
クリスマスの英国カンブリア州で、切断された人間の指が様々な場所に送り付けられるという猟奇事件が発生。
捜査に乗り出したポーたちだったが、ネットの闇を利用して人を操る恐るべき怪人物「キュレーター」が、事件の背後に潜んでいることが判明し……。
天才的な犯人と科学捜査の戦い、意外性抜群の結末、魅力的な探偵役のドラマ。
ミステリの王道を行く面白さが存分に詰め込まれた1作。
  

Posted by 佐賀ミステリ  at 19:40おすすめ本

2022年10月10日

会員のおすすめ本の紹介(212)

会員から寄せられたおすすめ本の紹介をします。



https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784163916019

ジェフリー・ディーヴァー『真夜中の密室』文藝春秋 池田真紀子訳

今回の名犯人役はどんな厳重な鍵のかかった密室でも開けてしまう"解錠師"(ロックスミス)。密室を作る方ではなく開ける方です。密室を開け、住人に直接危害は加えないけれども、不可解な行動で住人に心理的不安を覚えさせます。一方リンカーン・ライムは裁判での失策により警察顧問の立場を失ってしまい、マフィアに狙われつつ、密かに協力してくれる仲間とともに"解錠師"を追います。"どんでん返しの魔術師"ディーヴァーの面目躍如の作品です。ディーヴァーらしく現代的な話題を散りばめつつ、エンターテインメント作品として高水準な小説になっています。シリーズの『ボーン・コレクター』のネタばらしがあるので、できればそこを読んでから挑んでいただきたいですが、大変楽しく読める作品だと思います。
  

Posted by 佐賀ミステリ  at 00:28おすすめ本

2022年10月09日

2022年10月の例会を開催しました

佐賀ミステリファンクラブ2022年10月の例会を開催しました。

今月の例会は対面とオンラインで実施しました。
対面14人、ZOOM3人、計17人の参加がありました。

〇日時:10月9日(日)13時~17時
〇課題本:『フロスト日和』
〇内容:
 ①おすすめ本紹介
 ②課題図書の感想
 ③課題図書についてのフリートーク等

読書会では、
・キャラ描写が面白く、何度も声を出して笑ってしまった
・これだけ多くの事件を詰め込みながら、まとめあげているのが凄い
・フロストはがさつだが、職業倫理をしっかりと持っているところが良い
・お仕事小説として読むと、もの凄くリアル
・登場人物のクセが強そうで敬遠していたが、読み始めると一気
・伏線の情報提示が不十分なところがある
・有能と無能、ダメ人間と良いヤツの両面を合わせ持つ、フロストのキャラ造形のバランスが絶妙
・リアルな警察小説は好きではないが、これは現実離れしたストーリーで面白い
・前作の相棒がどこに行ったのかが気になる
・様々な真相を明かしていく手順で魅せていく、カードめくりの如き面白さ
・海外物は苦手だが、この作品はスイスイと読める
・これはミステリというよりフロスト小説
・フロストの推理が当たったり外れたりするのが楽しい
・複数の事件がどんどん発散していくストーリーが面白い
・フロストの人に対する優しさに、いつもホロリとさせられるシリーズ
・探偵役のレベルが自分と同じで親近感がわく
・これだけの分量でも読み通せるのは、翻訳家が紡ぐ文章の力が大きい
・この複雑なプロットをどう組み立てたのかが気になる
などの意見が出るとともに、伏線と思われる文章の解釈や、国や時代の違いを強く感じさせる描写の数々、本格ミステリと警察小説における捜査と推理の描き方の違い、などにも話が及び、有意義な会となりました。 
  

Posted by 佐賀ミステリ  at 21:21例会

2022年10月03日

会員のおすすめ本の紹介(211)

会員から寄せられたおすすめ本の紹介をします。

https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784334953256

『阿津川辰海 読書日記』(阿津川辰海/光文社)


新進気鋭のミステリ作家である著者が、好きなミステリや他のジャンルの小説への愛を熱烈につづった読書日記。読書好きな人が好きなものについて熱く語っている様が読んでいて好ましく思える。兼業作家で、「この量の小説をどうやって読んでいるのだろう」というくらい紹介される作品が多様である。各種ミステリー小説へのガイドブックとしても重宝する。これまで著者が行ってきた文庫などへの解説や様々な媒体に掲載されたエッセイも収録されており、ファンにとって嬉しい著作だろう。米澤穂信『米澤屋書店』を「静の読書エッセイ」とすれば、これは「動の読書エッセイ」と呼べるのではないか。紹介者としては、ここから翻訳ミステリーに触れてみようか、とふと感じる人が多少なりとも増えればいいなぁ、と感じている。
  

Posted by 佐賀ミステリ  at 09:25おすすめ本

2022年10月02日

会員のおすすめ本の紹介(210)

会員から寄せられたおすすめ本の紹介をします。



https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065292686

『方舟』(夕木春央/講談社)
 
大学時代の友達と従兄と一緒に山の中の地下建築を訪れた柊一。その後偶然出会った3人家族の計9人は宿泊翌日の明け方に起きた地震で地下建築に閉じ込められてしまう。逃げる手段はたった一つ、一人が犠牲になること。期限は1週間。そんな最中、殺人事件が起こる。
有名な「トロッコ問題」をミステリに昇華。犯人は何故殺人を犯さなければならなかったのか?犠牲者となるのは犯人であるべきなのか?生きるための必死の謎解きをするもタイムリミットが迫る。2022年ミステリベスト10に入ること確実!情報は一切入れず是非是非読んで欲しい1冊です。
  

Posted by 佐賀ミステリ  at 23:14おすすめ本

2022年10月02日

会員のおすすめ本の紹介(209)

2022年9月の例会で会員から寄せられたおすすめ本の紹介をします。



https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065289204


『此の世の果ての殺人』(荒木あかね/講談社)

小惑星が日本に衝突する事が発表され大混乱になる中、自動車教習に通う小春と元刑事の教官イサガワとの淡々とした日々の中、教習車のトランクから殺害された女性の死体を見つける。
もう誰も助からない状況下で起こった殺人。世界は滅びるのに、どうせみんな死ぬのに、なぜ人を殺すのか。
二人はこの謎に立ち向かう。

第68回江戸川乱歩賞受賞作

静かな終焉のラストが美しい。
これは納得の受賞。これからが楽しみな若い才能である。
  

Posted by 佐賀ミステリ  at 20:42おすすめ本

2022年10月02日

会員のおすすめ本の紹介(208)

2022年9月の例会で会員から寄せられたおすすめ本の紹介をします。



https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065280799

『月灯館殺人事件』(北山猛邦/星海社)

「本格ミステリの神」と呼ばれる天神人が当主の【月灯館】に、売れっ子の作家、盗作疑惑をかけられて干された作家、2作目がなかなか書けない作家(語り手)など様々な本格ミステリ作家達が集い生活する。
そんな中、当主の天神が斬首されて殺害される。

幾重にも重なる叙述トリック、鮮やかな物理トリックに翻弄される。
クリスティの『そして誰もいなくなった』へのオマージュでもあり、これからのミステリへの警告も孕んでいる。
錆びたナイフは、読者に突き刺さる。色々な意味で。
  

Posted by 佐賀ミステリ  at 20:40おすすめ本

2022年10月02日

会員のおすすめ本の紹介(207)

2022年9月の例会で会員から寄せられたおすすめ本の紹介をします。



https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784488028725


『情無連盟の殺人』(浅ノ宮遼・眞庵/東京創元社)

徐々に感情が失われていく病「アエルズ」に罹患した元麻酔科医・伝城英二は、アエルズ患者が共同生活を送る【情無連盟】から誘いを受け、泊まりがけの見学に訪れる。そのさなか、不可能な状況下で連盟員の一人が殺された。
あらゆる感情(怒り喜び悲しみ)欲求を無くした情無ばかりが生活する家で、なぜ殺人が起こったのか?

作者が医師なので、医療知識を駆使しての展開は面白い。
「アエルズ」は架空の病であり、その性質を巧みに利用した特殊設定ミステリである。

  

Posted by 佐賀ミステリ  at 20:35おすすめ本