2022年08月07日
会員のおすすめ本の紹介(206)
2022年8月の例会で会員から寄せられたおすすめ本の紹介をします。
『ガラスの村』(エラリイ・クイーン/ハヤカワ文庫)
ニューイングランドの片田舎「シンの辻」で発生した老嬢の殺人事件。村人たちは外国人の浮浪者を犯人と決めつけ、彼の身柄を司法に委ねず、自分たちの手で私刑を加えようとする。公正な法を守らんとする判事は、この無法な暴走を阻止すべく、村人たちに私刑に踏み切る前に模擬裁判を行うよう進言。真犯人は被告の浮浪者ではなく村人たちの中にいると考える主人公の青年は、この模擬裁判を通じて真相を突き止めようと試みる。だが村人たちの暴発によって、模擬裁判は崩壊の危機に瀕する。はたして青年の理性は、大衆の狂気に打ち勝ち、法と正義を守ることができるのか?
1950年代、アカ狩りの嵐が吹き荒れる渦中において、巨匠クイーンが公正さを急速に失いつつあるアメリカ社会を告発した問題作。発表から70年近くが経った現代においても、いや現代でこそ改めて読まれるべき作品である。
『ガラスの村』(エラリイ・クイーン/ハヤカワ文庫)
ニューイングランドの片田舎「シンの辻」で発生した老嬢の殺人事件。村人たちは外国人の浮浪者を犯人と決めつけ、彼の身柄を司法に委ねず、自分たちの手で私刑を加えようとする。公正な法を守らんとする判事は、この無法な暴走を阻止すべく、村人たちに私刑に踏み切る前に模擬裁判を行うよう進言。真犯人は被告の浮浪者ではなく村人たちの中にいると考える主人公の青年は、この模擬裁判を通じて真相を突き止めようと試みる。だが村人たちの暴発によって、模擬裁判は崩壊の危機に瀕する。はたして青年の理性は、大衆の狂気に打ち勝ち、法と正義を守ることができるのか?
1950年代、アカ狩りの嵐が吹き荒れる渦中において、巨匠クイーンが公正さを急速に失いつつあるアメリカ社会を告発した問題作。発表から70年近くが経った現代においても、いや現代でこそ改めて読まれるべき作品である。
2022年08月07日
2022年8月の例会を開催しました
佐賀ミステリファンクラブ2022年8月の例会を開催しました。
今月の例会は対面とオンラインで実施しました。
対面2人、ZOOM11人、計13人の参加がありました。
〇日時:8月7日(日)13時~17時
〇課題本:『災厄の町』
〇内容:
①おすすめ本紹介
②課題図書の感想
③課題図書についてのフリートーク等
読書会では、
・ライツヴィルという閉鎖的な町そのものが物語の主人公
・国名シリーズと比べると、作風やエラリイの性格が大きく違っていて驚き
・作風を変えつつも、ミステリの技巧面では初期から一貫している部分がある
・裁判を巡って様々な策略が繰り広げられる展開には、陪審制の国ならではの面白さがある
・現代にも通ずるムラ社会の描写が恐ろしい
・序盤はなかなか事件が起こらなくて少し退屈
・エラリイの失恋話として読むこともできる
・この町の雰囲気こそが、犯人を犯行に駆り立てたと言えるのではないか
・地の文にアンフェアではないかと気になる記述がある
・一つの手がかりから様々な謎を一気に解決してい手際は、さすがクイーンという感じ
・序盤で真の事件像に気づいてしまう読者もいると思うので、謎解き小説としては評価が分かれそう
・客観的データに基づく推理を描いてきた初期作から、人間性を推理に組み込み始めたのは大きな転換
・ミステリを閉じた世界で完結させず、現実と接続させずにいられなかった点に、クイーンという作家の特質がある
・何人かの登場人物の性格に今一つ納得できない部分がある
・ライツヴィルはアメリカの縮図であり、エラリイにとっての心のふるさとでもある
・ライツヴィル物ではシリーズを通して、夫婦や親子といった家族関係がはらむ明暗が様々な角度から描かれている
などの意見が出るとともに、作者クイーンの分業体制や、日本での映画版『配達されない三通の手紙』での変更点、本格ミステリにおいて集団の狂気を扱うことがはらむ問題などにも話が及び、有意義な会となりました。



今月の例会は対面とオンラインで実施しました。
対面2人、ZOOM11人、計13人の参加がありました。
〇日時:8月7日(日)13時~17時
〇課題本:『災厄の町』
〇内容:
①おすすめ本紹介
②課題図書の感想
③課題図書についてのフリートーク等
読書会では、
・ライツヴィルという閉鎖的な町そのものが物語の主人公
・国名シリーズと比べると、作風やエラリイの性格が大きく違っていて驚き
・作風を変えつつも、ミステリの技巧面では初期から一貫している部分がある
・裁判を巡って様々な策略が繰り広げられる展開には、陪審制の国ならではの面白さがある
・現代にも通ずるムラ社会の描写が恐ろしい
・序盤はなかなか事件が起こらなくて少し退屈
・エラリイの失恋話として読むこともできる
・この町の雰囲気こそが、犯人を犯行に駆り立てたと言えるのではないか
・地の文にアンフェアではないかと気になる記述がある
・一つの手がかりから様々な謎を一気に解決してい手際は、さすがクイーンという感じ
・序盤で真の事件像に気づいてしまう読者もいると思うので、謎解き小説としては評価が分かれそう
・客観的データに基づく推理を描いてきた初期作から、人間性を推理に組み込み始めたのは大きな転換
・ミステリを閉じた世界で完結させず、現実と接続させずにいられなかった点に、クイーンという作家の特質がある
・何人かの登場人物の性格に今一つ納得できない部分がある
・ライツヴィルはアメリカの縮図であり、エラリイにとっての心のふるさとでもある
・ライツヴィル物ではシリーズを通して、夫婦や親子といった家族関係がはらむ明暗が様々な角度から描かれている
などの意見が出るとともに、作者クイーンの分業体制や、日本での映画版『配達されない三通の手紙』での変更点、本格ミステリにおいて集団の狂気を扱うことがはらむ問題などにも話が及び、有意義な会となりました。


